イチロー選手がシアトル・マリナーズに所属していた時期に、シアトルでの集中観戦を行ったことがあります。セーフコ・フィールドから徒歩20分程度にあるダウンタウンのホテルを拠点に昼は市内観光、夜は野球観戦を7日間連続で行いました。7日間の観戦での収穫は、以下の通りです。
球場を熟知できる
スタジアムツアーへの参加、バックネット裏、内野、外野など観戦席にバリエーションをつける、ファンサービスで選手がサインをするエリアがわかる、毎日の夕食を球場で取ることで球場の名物フードを楽しむ、チームストアを時間をかけて物色できる、などの体験を通して球場を把握できますので、時間的にも精神的にも余裕をもった観戦ができます。シーズンチケットホルダーになったかの如く、チーム、選手、球場に愛着がわき、優越感すら覚えるのではないでしょうか?また選手への応援パターンも覚えますので現地ファンと同化しチーム、選手を応援できます。日本では応援団がリードした一体感のある応援が定着していますが、応援団がいなくとも自然発生的な応援も心地よいものです。
街を熟知できる
7日も滞在しますと、市内の主要観光スポットの多くをカバーすることができます。また近郊の自然を体験する日帰りバスツアーにも参加できますので、観光の幅が広がりよりシアトルという街に愛着がわきます。行きつけのレストランができ、店のスタッフと仲良くなることで得られるメリットもあります。ドリンクをサービスしてくれたこともありますし、たまたま店を訪れていた選手(DLのため試合には出場できない)からサインをもらって頂いたりもしました。選手のプライベートを重視するアメリカですので、レストランでサインを求めることは遠慮すべきですが、スタッフの方が気を利かせて下さいました
人脈ができる
シアトルで仲良くなったレストランのスタッフさんとはメールアドレスを交換し、定期的に連絡を取りましたし、その後もシアトルを訪問した際には必ずそのレストランを訪れました。その他にも、シアトルで生活をされている日本人の方と面識ができました。たまたま観戦した試合で席が隣になったことがご縁でしたが、その方がシアトル郊外(ダウンタウンから自動車で20分程度)でB&Bを営んでいらっしゃいましたので、何度か宿泊させて頂きました。その方のご配慮で日本のガイドブックでは紹介されていない観光地に行ったり、イチロー選手が住んでいた家のゲートまで連れていってもらったり(セキュリティーが厳しいので当然敷地内には入れません)と貴重な体験ができました。
ユニークな滞在スタイル
シアトル滞在に限らず、他の都市で野球を観戦するときの宿泊はホテルを選びます。現地に知人がいる方は、ご自宅にお世話になることもあるでしょう。それでも一週間以上の連続滞在は友人知人宅では気が引けるものです。私がシアトルで知り合った方が、ダウンタウンにマンションを持っており、その部屋を一般客の宿泊用に提供されていました。私もある時期に一週間このマンションをお借りしましたが、スペースニードルに近いという立地でしたので、野球観戦にも、観光にも、食事を取るにも不便を感じることはありませんでした。セーフコ・フィールドのバス停から乗換なしでマンションの前のバス停まで行き来できましたので試合終了が遅くなっても安心して帰ることができました。また滞在中に1日だけシアトルで試合がない日には、最小限の荷物をリュックサックに入れてサンフランシスコまで観戦に行きました。大きな荷物はマンションに起きっ放しでよいですし、洗濯物を干しっ放しでも問題ありませんでした。部屋の費用も平均的なホテルと同等かむしろ安かったので費用面でも満足できました。まるで自分の家に住んでいるような感覚でシアトルでの貴重な野球観戦を体験することができました。