2022年も残り1ヶ月半、レギュラー・シーズンの試合は残り約50試合です。地区優勝争い、ワイルド・カード争いも熱を帯びてきました。もちろんチーム・スポーツですので優勝は最も重要ですが、個人タイトル争いもそろそろ佳境を迎えています。ここでは、ピッチャーの最も名誉ある賞、サイ・ヤング賞を取り上げてみます。
名前の由来であるサイ・ヤングは元メジャーリーガーですが、1867年にオハイオ州で生を受けました。クリーブランド・スパイダースでメジャー・デビューし22年間で511勝、2803奪三振を記録しました。勝利数は今でもメジャーリーグ記録として破られていません。
その年に最も活躍した投手に与えられる賞として名付けられたサイ・ヤング賞は、1956 年から 1966 年までは 両リーグから1人の 投手に与えられていましたが、1967 年からは各リーグごとに 1 人の投手に与えられています。
選出方法
サイ・ヤング賞の選出方法は、全米野球記者協会所属の記者60人による投票で決まります。 記者が1位から5位までの投手に投票しますが、1位は7点として加点されます。以下、2位票(4点)、3位票(3点)、4位票(2点)、5位票(1点)が加点され、その合計獲得点の最も高い選手が受賞者となります。
受賞ランキング
2021年までに、サイ・ヤング賞を4回以上受賞した投手は以下のメンバーです。3回受賞者は6名、2回受賞者は11名おります。
7回受賞
ロジャー・クレメンス
アメリカン・リーグ:1986年、1987年, 1991年, 1997年、1998年, 2001年
ナショナル・リーグ: 2004年
5回受賞
ランディ・ジョンソン
アメリカン・リーグ:1995年、
ナショナル・リーグ: 1999年、2000年、2001年、2002年
4回受賞
グレッグ・マダックス
ナショナル・リーグ: 1992年、1993年、1994年、1995年
スティーブ・カールトン
ナショナル・リーグ: 1972年、 1977年、1980年、1982年
(※サイ・ヤング賞の記事はこちらを参考にして下さい)
2022年の候補者
2022年8月12日(アメリカ時間)現在の個人成績からサイ・ヤング賞の候補者を予想してみます。勝利数、防御率、奪三振数の上位3位の選手を以下に記載します。
アメリカン・リーグ
勝利数
ジャスティン・バーランダー(HOU):15勝3敗
ディラン・シーズ(CWS):12勝5敗
アレク・マノア(TOR):12勝5敗
(※大谷翔平投手は10勝で7位です。)
防御率
ジャスティン・バーランダー(HOU):1.85
ディラン・シーズ(CWS):1.96
シェーン・マクラナハン(TOR):2.24
(※大谷翔平投手は2.68で6位ですが、規定投球回数を満たしていません。)
奪三振数
ゲリット・コール(NYY):178
ディラン・シーズ(CWS):174
シェーン・マクラナハン(TB):161
(※大谷翔平投手は157で4位です。)
ナショナル・リーグ
勝利数
トニー・ゴンソリン(LAD):14勝1敗
カイル・ライト(ATL):14勝5敗
タイラー・アンダーソン(LAD):13勝1敗
カルロス・カラスコ(NYM):13勝4敗
(※ダルビッシュ投手は10勝で8位タイです。)
防御率
サンディ・アルカンターラ(MIA):2.01
トニー・ゴンソリン(LAD):2.24
コルビン・バーンズ(MIL):2.45
(※ダルビッシュ投手は3.28で15位です。)
奪三振数
コルビン・バーンズ(MIL):175
カールトン・ロドン(SF):168
アーロン・ノラ(PHI):157
(※ダルビッシュ投手は132で8位です。)
予想オッズ
2022年8月14日(アメリカ時間)現在のサイヤング賞の予想オッズの順位です。数字はアメリカン・オッズ式で表示されています。ここでは詳しく説明しませんが、マイナスの評価をされている選手が、サイヤング賞の可能性が高いと評価されています。大谷翔平投手はアメリカン・リーグのサイヤング賞の予想4番目に位置しています。
アメリカン・リーグ
ジャスティン・バーランダー(HOU) -145
ディラン・シーズ(CWS) +200
シェーン・マクラナハン(TB) +700
大谷翔平(LAA) +3,500
アレック・マノアー(TOR) +4,500
ナショナル・リーグ
サンディ・アルカンターラ(MIA) -260
コルビン・バーンズ(MIL) +850
マックス・フリード(ATL) +1,900
ザック・ウィーラー(PHI) +2,500
カルロス・ロドン(SF) +2,500
MVPのオッズははこちらのサイトをご覧ください(英語版)
では2021年以前10年間のサイヤング賞受賞者をご紹介します。
2021年
アメリカン・リーグ
ロビー・レイ(トロント・ブルージェイズ)
成績:13勝7敗、防御率:2.84、投球回数:193.1、奪三振数:248
【投票結果】
1位:ロビー・レイ(TOR):207ポイント
2位:ゲリット・コール(NYY):123ポイント
3位:ランス・リン(CWS):48ポイント
ナショナル・リーグ
コルビン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)
成績:11勝5敗、防御率:2.43、投球回数:167.0、奪三振数:234
【投票結果】
1位:コルビン・バーンズ(MIL):151ポイント
2位:ザック・ウィーラー(PHI):141ポイント
3位:マックス・シャーザー(LAD):113ポイント
2020年
2020年は新型コロナ・ウィルス感染の影響でレギュラー・シーズンは60試合で開催されました。
アメリカン・リーグ
シェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンス)現ガーディアンズ
成績:8勝1敗、防御率:1.63、投球回数:77.1、奪三振数:122
【投票結果】
1位:シェーン・ビーバー(CLE):210ポイント
2位:前田健太(MIN):92ポイント
3位:リュー・ヒョンジュ(TOR):51ポイント
ナショナル・リーグ
トレーバー・バウワー(シンシナティ・レッズ)
成績:5勝4敗、防御率:1.73、投球回数:73.0、奪三振数:100
【投票結果】
1位:トレーバー・バウワー(CIN):201ポイント
2位:ダルビッシュ・有(CHC):123ポイント
3位:ジェイコブ・デグロム(NYM):89ポイント
2019年
アメリカン・リーグ
ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)
成績:21勝6敗、防御率:2.58、投球回数:223.0、奪三振数:300
【投票結果】
1位:ジャスティン・バーランダー(HOU):171ポイント
2位:ゲリット・コール(HOU):159ポイント
3位:チャーリー・モートン(TB):75ポイント
ナショナル・リーグ
ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)
成績:11勝8敗、防御率:2.43、投球回数:204.0、奪三振数:255
【投票結果】
1位:ジェイコブ・デグロム(NYM):207ポイント
2位:リュー・ヒョンジュ(LAD):88ポイント
3位:マックス・シャーザー(WAS):72ポイント
2018年
アメリカン・リーグ
ブレーク・スネル(タンパベイ・レイズ)
成績:21勝5敗、防御率:1.89、投球回数:180.2、奪三振数:221
【投票結果】
1位:ブレーク・スネル(TB):169ポイント
2位:ジャスティン・バーランダー(HOU):154ポイント
3位:コリー・クルーバー(CLE):71ポイント
ナショナル・リーグ
ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)
成績:10勝9敗、防御率:1.70、投球回数:217.0、奪三振数:269
【投票結果】
1位:ジェイコブ・デグロム(NYM):207ポイント
2位:マックス・シャーザー(WAS):123ポイント
3位:アーロン・ノラ(PHI):86ポイント
2017年
アメリカン・リーグ
コリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンス)現ガーディアンズ
成績:18勝4敗、防御率:2.25、投球回数:203.2、奪三振数:265
【投票結果】
1位:コリー・クルーバー(CLE):204ポイント
2位:クリス・セール (BOS):126ポイント
3位:ルイス・セベリーノ(NYY):73ポイント
ナショナル・リーグ
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)
成績:16勝6敗、防御率:2.51、投球回数:200.2、奪三振数:268
【投票結果】
1位:マックス・シャーザー(WAS):201ポイント
2位:クレイトン・カーショー(LAD):126ポイント
3位:スティーブン・ストラスバーグ(WAS):81ポイント
2016年
アメリカン・リーグ
リック・ポーセロ(ボストン・レッドソックス)
成績:22勝4敗、防御率:3.15、投球回数:223.0、奪三振数:189
【投票結果】
1位:リック・ポーセロ(BOS):137ポイント
2位:ジャスティン・バーランダー(DET):132ポイント
3位:コリー・クルーバー(CLE):98ポイント
ナショナル・リーグ
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)
成績:20勝7敗、防御率:2.96、投球回数:228.1、奪三振数:284
【投票結果】
1位:マックス・シャーザー(WAS):192ポイント
2位:ジョン・レスター(CHC):102ポイント
3位:カイル・ヘンドリックス(CHC):85ポイント
2015年
アメリカン・リーグ
ダラス・カイケル(ヒューストン・アストロズ)
成績:20勝8敗、防御率:2.48、投球回数:232.0、奪三振数:216
【投票結果】
1位:ダラス・カイケル(HOU):186ポイント
2位:デヴィッド・プライス (BOS):143ポイント
3位:ソニー・グレイ(OAK):82ポイント
ナショナル・リーグ
ジェイク・アリエタ(シカゴ・カブス)
成績:22勝6敗、防御率:1.77、投球回数:229.0、奪三振数:236
【投票結果】
1位:ジェイク・アリエタ(CHC):169ポイント
2位:ザック・グレインキー (LAD):147ポイント
3位:クレイトン・カーショー(LAD):101ポイント
2014年
アメリカン・リーグ
コリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンス)現ガーディアンズ
成績:18勝9敗、防御率:2.44、投球回数:235.2、奪三振数:269
【投票結果】
1位:コリー・クルーバー(CLE):169ポイント
2位:フェリックス・ヘルナンデス (SEA):159ポイント
3位:クリス・セール(CWS):78ポイント
ナショナル・リーグ
クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)
成績:21勝3敗、防御率:1.77、投球回数:198.1、奪三振数:239
【投票結果】
1位:クレイトン・カーショー(LAD):210ポイント
2位:ジョニー・クエト (CIN):112ポイント
3位:アダム・ウエインライト(STL):97ポイント
2013年
アメリカン・リーグ
マックス・シャーザー(デトロイト・タイガース)
成績:21勝3敗、防御率:2.90、投球回数:214.1、奪三振数:240
【投票結果】
1位:マックス・シャーザー(DET):203ポイント
2位:ダルビッシュ・有(TEX):93ポイント
3位:岩隈久志(SEA):73ポイント
ナショナル・リーグ
クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)
成績:16勝9敗、防御率:1.83、投球回数:236.0、奪三振数:232
【投票結果】
1位:クレイトン・カーショー(LAD):207ポイント
2位:アダム・ウエインライト(STL):86ポイント
3位:ホセ・フェルナンデス(MIA):62ポイント
2012年
アメリカン・リーグ
デヴィッド・プライス(ボストン・レッドソックス)
成績:20勝5敗、防御率:2.56、投球回数:211.0、奪三振数:205
【投票結果】
1位:デヴィッド・プライス(BOS):153ポイント
2位:ジャスティン・バーランダー(DET):149ポイント
3位:ジャレット・ウィーバー(LAA):70ポイント
ナショナル・リーグ
R.A. ディッキー(ニューヨーク・メッツ)
成績:20勝6敗、防御率:2.73、投球回数:233.2、奪三振数:230
【投票結果】
1位:R.A. ディッキー(LAD):209ポイント
2位:クレイトン・カーショー(LAD):96ポイント
3位:ジオ・ゴンザレス(WAS):93ポイト
データ参照 baseball-reference.com