WBC2023を終えて メジャー球場で観た佐々木朗希の評価は

佐々木朗希という作品は想像通りに素晴らしい

WBCが始まる前から佐々木朗希の凄さを知っていました。21歳の彼が世界で最も厄介な投手の1人になる可能性があることはわかっていました。

WBCで証明ができました。

事前に彼がどれだけ速いストレートを投げるのか、そしてどれだけ落差のあるフォークを投げるのはを知っていましたが、驚異的な才能はWBC準決勝のメキシコ戦で発揮されました。彼はついにメジャーの球場で投球したのです。アメリカの誇るHawk-Eyeの技術により初めて佐々木に関する全範囲のStatcastデータを取得しました。

佐々木朗希を分析

ストレート

WBC準決勝でのストレートの平均速度は時速100.5マイル(161.73km)。最速は 101.9マイル(164.00km)。 初回101.8マイルのストレートでメキシコ代表のメジャー・リーガーのランディ・アロサレナ選手を打ち取りました。

この試合で佐々木は29球のストレートを投げました。 そのうち26球は時速100 マイル以上でした。メジャー・リーグを代表するスターターと比較してもエリートの域に達しています。

以下、2008年以降ピッチ・トラッキング時代全で、1試合のストレートの平均球速が3桁を記録したMLB先発投手のリストです。

ハンター・グリーン(CIN): 6試合
ジェイコブ・デグロム(TEX):2試合
ネイサン・イオバルディ(TEX):1試合
ヨルダノ・ベンチュラ(KC):1試合

佐々木投手は1試合で時速100 マイル以上のストレートを記録した 5 人目の投手と言えます。(※それも 26球も投じています)

さらに佐々木が投げた速球の90%が時速100マイル以上だったという事実があります。 これは最新のピッチ・トラッキングで1試合に25球以上ストレートを投げたすべての先発投手の中で最高の率です。

佐々木朗希 (日本):90% -- 2023年3月20日 WBC準決勝
ジョーダン・ヒックス (カージナルス):89% -- 2022年7月12日
ハンター・グリーン (レッズ):86% -- 2022年9月17日
ジェイコブ・デグロム (メッツ):75% -- 2021年6月5日
ハンター・グリーン (レッズ):69% -- 2022年7月26日

※佐々木投手の場合はWBCという特別な試合ですので初回から全力で投球できましたし2番手に山本由伸投手が控えておりいつでも交代するという環境でした。メジャーのレギュラー・シーズン162試合の1試合とは重みが違いますが。

佐々木投手のストレートの特徴

佐々木投手のストレートは速さだけでなく、打席までにでわずか10.1インチ(約25.7cm)しか落ちません。平均でも13.1インチ(約33.3cm)の落ちでした。2022年のメジャー・リーガーでストレートの平均落ち率が少なかった投手は 3人だけでした。フェリックス・バティスタ投手(BAL)、ライアン・ヘルズリー投手(STL)、ジェームズ・カリンチャク投手(CLE)です。

そしてアーム・サイド・ランはWBC準決勝で平均13.1インチ(約33.2cm)を最大で15インチ(約38cm)ものランを獲得しました。(※アーム・サイド・ランは右(左)投げの投手が右(左)打者に投げる時に打者側に向かってストレートが動く幅。いわゆる動く速球。)

佐々木投手に近いストレートを投げる投手は数少ない。 例えばヤンキースのエース、ゲリット・コールと手は2022年の ストレートで平均時速97.8マイル、落ち幅10.5インチ(約26.7cm)、アーム・サイド・ラン10.4インチ(約26.4cm)を記録しました。佐々木投手のストレートはコール投手に匹敵するものです。

スプリット(フォーク)

佐々木投手の最高の持ち球は3桁のストレートではありません。それはドロップ・オフ・ザ・テーブル・スプリッターです。

佐々木投手のスプリッターはメキシコ戦で信じられないほど素晴らしかった。 時速90マイル(約144.8km)超える球速と、30インチ(約76.2cm)を超える落下する球種です。

佐々木投手のスプリッターの平均速度は時速91.2マイル(約146.8km)でした。最速93.0マイル(約149.7km)に達しました。 彼のスプリッターはジェイコブ・デグロムのスライダーのようです。多くのメジャー・リーガーの速球と同等の球速を持つ打者にとって打つことが難しい第2の武器です。

 WBC準決勝のスプリッターは53%のウィフ・レート(whiff rate)を記録しました。 メキシコ代表の打者はスプリッターで半分以上(17球中9球)を空振りしました。

2022年に佐々木投手のようなスプリッターを投げたメジャー・リーグの投手は 2 人しかいませんでした。1人は元ヤンキースのクローザー、アロルディス・チャップマン投手 (時速88.1マイル(約141.8km)、落下距離36.1インチ(約91.7cm)、水平移動距離2.1インチ(約5.3cm)) でした。 もう1人は大谷翔平選手(時速89.3マイル(約143.7km)、落下32インチ(約81.3cm)、水平移動5.5インチ(約14.0cm))です。

メキシコ戦でストレートを62%の確率でストライク・ゾーンに投げました。 または57%の確率でスプリッターをストライク・ゾーンに投げました。 これは2022年に71%の確率でスプリットをゾーン外に投げた大谷投手との大きな違いです。大谷選手にとってスプリッターは主に三振を取るための球種です。 佐々木投手にとってはどのような状況でも頼りになる球種であり、実際メキシコ代表との試合でもスプリッターの使用率は47%でした。大谷選手と佐々木投手は支配的な速球とスプリッターで打者を圧倒しています。

WBCで佐々木投手をライブで見た人々は、MLBのファンなら誰もがメジャーのチームに欲しいでしょう。 彼のStatcastの数字を見ていると待ち遠しいのではないでしょうか?

(※このコラムはこちらの記事を参考にしました。)

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