2023年が開幕し約1ヶ月半が経過します。トレード期限まではまだ11週間以上もありますが、レギュラーシーズンの4分の1の試合消化した現段階で各チームは現在の立ち位置(状態)を評価し始めています。
2023年5月11日の段階で勝率.444以下の成績は8チームあります。このペースだと162試合のシーズンに換算しますと勝ち数は72勝以下です。ではチームはいつから売り手になることを真剣に考え始めるのでしょうか?
契約の期限を迎えている選手(2023年オフにFAになる選手)であっても、安易にトレードで放出することは、ファンやチーム・メイトにに誤ったメッセージを送ってしまいます。トレードの判断は幹部にとっては難しい選択です。
しかし、現実には目を背ける事はできません。両リーグには3枚のワイルド・カード枠がありますが多くのチームは、ポスト・シーズンに進めない事実をいち早く知ることになります。ワイルド・カード・レースの当落線上にいるチームにとって、トレードで売り手に回る決断は難しいです。
売り手に回る可能性があるチーム
2023年5月11日の時点でどのチームが売り手に回る可能性があるでしょうか? アルファベット順に8チームを上げてみます。
アスレチックス
オークランドは近年、マット・オルソン選手(ブレーブス)、マット・チャップマン選手(ブルージェイズ)、ショーン・マーフィー(ブレーブス)をトレードに出しています。
2023年にFAとなるトレバー・メイ選手、ヘスス・アギラール選手、トニー・ケンプ選手がトレード候補になるでしょう。
カージナルズ
常勝チームであるカージナルス。トレード期限までに売り手に回るシナリオには縁がありませんが、2023年は13勝25敗のスタートを踏まえ7月までに状況が改善しない場合、フロントは決断せざるを得ません。
先発投手3名、アダム・ウェインライト投手、ジョーダン・モンゴメリー投手、ジャック・フラハティ投手がFAです。リリーフ投手のクリス・ストラットン投手、ドリュー・バーヘイゲン投手、ジョーダン・ヒックス投手もFAです。
ジャイアンツ
サンフランシスコは売り手に回る事は少ないものの、7月にドジャース、ダイヤモンドバックス、パドレスに大差をつけられると状況は変わるかもしれません。
ジョク・ピーダーソン選手とアレックス・ウッド投手はFAです。今年好投しているアレックス・コブ投手も200万ドルのバイアウト付きで2024年に1,000万ドルのクラブ・オプションが与えられています。
ナショナルズ
現在ワシントンは16勝21敗で打率.500前後を推移していますが、ポスト・シーズンに進出するのは難しいでしょう。
FAになる予定のジェイマー・カンデラリオ選手は、長打力を持っているものの、良いパフォーマンスを見せていません。 チャド・クール選手とコーリー・ディッカーソン選手は現在ILに入っています。バイアウトなしで2024年に330万ドルのクラブオプションを持つビクター・ロブレス選手も候補です。
レッズ
レッズ一筋のジョイ・ボットー選手は契約の最終年を迎えています。肩と上腕二頭筋の手術から復帰した後に契約を締結する事は難しいでしょう。 その他にもFAになる選手はいますが、買い手に回るチームが手を伸ばす可能性が低いと思われます。
ロッキーズ
ロッキーズは強豪ひしめくナ・リーグ西地区の最下位にいます。 ロッキーズにはシーズン終了後にFAトに向かう選手が6人以上います。
なかでもジュリクソン・プロファー選手、C.J.クロン選手、ランダル・グリチック選手はトレード候補者になる可能性があります。
ロイヤルズ
カンザスシティはボビー・ウィット・ジュニア選手、ビニー・パスカンティーノ選手、MJ・メレンデス選手、ニック・プラット選手など25歳以下の若手中心選手を中心にチームを構築しています。11勝27敗の現状を考えれば、明らかに売り手に回るように見えます。
アロルディス・チャップマン投手とアミール・ギャレット選手はFAになります。1年の調停資格があるスコット・バーロウ選手とライアン・ヤーブロー選手も移籍する可能性があります。
ホワイトソックス
今シーズン、ホワイトソックスは13勝25敗のスタートを切っています。良いローテーション・ピッチャーを持つホワイトソックスですが大苦戦しています。
ルーカス・ジオリト投手、ディラン・シース投手、ティム・アンダーソン選手の3人の主力選手がトレード移籍する可能性があるとも言われています。その他にもヤスマニ・グランダル選手はシーズン終了後にFAに、ランス・リン投手は100万ドルのバイ・アウト付きで2024年に1,800万ドルのオプションが付いています。
エンゼルスがこのグループに入る事なく優勝争いを演じ、ポスト・シーズンに向かう事を願いたいです。
(※このコラムはこちらの記事を参考にしました。)