ナックル・プリンセスの吉田えり投手は、複数の大陸で野球の夢を追い求め、壁を打ち破り続けています。とMLB.comでも報じられた吉田投手のアメリカ再挑戦。
16歳で日本で最初の女子プロ野球選手となり、その後アメリカでプロとしてプレーした吉田えり投手が、2023年6月にニューヨークの独立リーグ、エンパイア・リーグでプレーするため米国に戻る予定と報じられました。
吉田投手が世界の女子野球選手の先駆者となった彼女の武器はナックルボールで今でも投球の柱です。15 年以上前、当時レッドソックスのナックルボーラー、ティム・ウェイクフィールド投手のビデオを見た時にこの球種を学びたいと思った事が始まりです。大多数のナックルボール投手とは異なり、吉田投手はサイド・スローです。
吉田投手の主な球歴
当時高校生だった吉田投手は、リーグ発足前に関西独立野球リーグの神戸9クルーズにドラフト指名されました。 彼女は2009年3月26日大阪ドームで11,592人のファンの前でデビューし、打者2人と対戦し1三振を奪いました。
2010年、吉田投手はカリフォルニア州に本拠地を置く独立リーグ、ゴールデン・ベースボール・リーグのチコ・アウトローズと契約を結び、二大陸でプロ野球選手としてプレーする初の女性選手になりました。この功績はアメリカ野球殿堂博物館で展示される程、インパクトのある出来事でした。 当時彼女はまだ18歳でした。
吉田投手は度重なる怪我と闘った後、2017年にエイジェック・コーポレーションの女子野球チームで選手兼監督(その後コーチ兼任)の職に就きましたが、投手としてもっとプレーしたいという願望が消えることはありませんでした。
吉田投手のコメントより
「自分の中に何か不完全さを感じていた。子どもたちに野球の楽しさを教えるためには、自分自身が野球をやり抜く必要があった。今挑戦していなかったら、おそらく後悔すると思います。」と語りました。続けて、「怪我を繰り返しても野球を辞める気にはなれませんでした。まだまだナックルボールに挑戦したいと思っています。日本のみならず海外ででも。」とも。
エンパイア・リーグ
2015 年に設立されたプロ野球選手育成の独立リーグです。リーグは 4つのイベント(プログラム)で構成されており、シーズン中にトライアウトも行われます。 すべてのイベントは、選手が自分の才能と個人のスキルをMLBパートナー リーグおよび提携スカウトに公開することを目的としています。
・秋季教育キャンプ(フロリダ)
・春季プロ・ゲーム・トレーニング・キャンプ(フロリダ)
・全独立リーグ・ショーケース・キャンプ(ペンシルベニア州、ニューヨーク州)
・サマー・エンパイア・リーグ(ニューヨーク)
秋季トレーニング・キャンプと春のプロ・ゲーム・トレーニング・キャンプはどちらもフロリダ州のフォートマイヤーズの「TERRY PARK」にある施設で開催されます。
全独立リーグ・ショーケース・キャンプとサマー・エンパイア・リーグのレギュラー・シーズンは、どちらも主に米国北東部のペンシルベニア州とニューヨーク州で開催されます。
このリーグは、アマチュア・レベルを超え、ルーキー・リーグからマイナー・リーグのクラス A レベルと同等のスキル持つレベルですこのリーグは公式のファーム・システムです。 エンパイア・リーグで才能を発揮した選手は、リーグが運営するMLB組織とプロ契約を結んでいます。
吉田えり投手の挑戦に心から応援したいと思います。
(※このニュースはこちらの記事を参考にしました。)