佐々木朗希投手がMLBと契約するプロセスについて

2024年11月9日(日本時間)佐々木朗希投手が所属する千葉ロッテ・マリーンズはポスティングすると発表しました。団体交渉協定では佐々木投手は25歳未満ですから国際アマチュア・フリー・エージェントという扱いです。

佐々木投手の主な成績

千葉ロッテでに所属した4シーズンで防御率2.02、奪三振11.4、四球率2.0、9イニングあたり被安打はわずか6.0です。2023年EBCでは日本チームで7 2/3イニングで11奪三振を記録しています。

彼の速球は最高球速102マイル(164km)で、2023年シーズンの平均球速99マイル(159km)、2024年には平均96.8マイル(156km)です。彼は速球に加えてスプリット(2024年の平均時速88.2マイル(142km))を持ち、2023年シーズンには57%を超える空振り率でした。スライダー(2024年の平均時速83.6マイル(135km))も2023年の空振り率は40.7%でした。

佐々木投手の成績はこちらをご覧ください。

ポスティング

NPBの選手は9年間の一軍在籍により国際フリー・エージェントの権利を得ますが、それよりも早く移籍する場合はポスティング制度を利用します。2024年現在のルールでは、千葉ロッテが受け取ることができる契約解除料は、佐々木投手の契約保証総額の20%です。佐々木投手の場合、25歳未満ですので保証総額は2,500万ドル以下のです。

23歳の佐々木投手はMLBが認める海外リーグでの在籍年数が6シーズン未満であるため、国際・ボーナス・プールの資金制限の対象です。2017年の大谷翔平選手がにエンゼルスから230万ドルの時と類似しています。

MLBの全30球団は、佐々木投手がポスティングした後45日以内に選手と交渉することができます。その期間内に合意に達しなかった場合、佐々木投手はNPB球団に戻ります。2025年オフ・シーズンまで再びポスティングできません。

佐々木投手の契約は、2024年12月2日以前にポスティングされた場合、45日間の交渉期間は2025年の契約期間前に終了するため、2024年12月15日前にしか契約できません。2024年12月2日から15日の間にポスティングされた場合、2024年もしくは2025年のいずれでも契約できますが2024年の契約交渉は2024年12月15日までしかありません。2025年の交渉は2025年1月15日から開始されます。恐らく2024年内に交渉をまとめるのではないしょうか。

2023-24契約期間は、2024年1月15日から2024年12月15日です。
2024-25契約期間は、2025年1月15日から2025年12月15日です。

契約候補チーム(国際ボーナス・プールより)

25歳未満の佐々木投手との契約は2024年の山本由伸投手(12年、3億2500万ドル)のように巨額の資金は必要ありません。全チームにチャンスはあります。それでもドジャースは多くの条件を満たしており、佐々木投手獲得の最有力候補とみなされています。その理由の1つとして2024年シーズンに残っているボーナス・プールの金額が最も多いからです。

2024年の残りの国際ボーナス・プールに基づく上位5チームは以下の通りです。

ドジャース::2,502,500ドル
オリオールズ:2,147,300ドル
ヤンキース:1,487,200ドル
ジャイアンツ:1,247,500ドル
レッドソックス:990,000ドル

国際ボーナス・プールは各チームに少なくとも475万ドルの枠が認められます。競争力バランス・ラウンドAのチームには525万ドル、競争力バランス・ラウンドBのチームには575万ドルが上限です。この資金はトレードにより得ることもできます。クオリファイング・オファーの選手が別のチームに移籍した場合には獲得したチームの国際ボーナス・プールは減額されるルールもあります。

少し複雑なルールですので上記金額の詳細は追いませんが、2024年の国際ボーナス・プールの残高の1位ドジャースであることから、佐々木投手獲得の準備が出来ていたとも言えます。

25歳未満の佐々木投手のボーナス上限は2,500万ドルですが、2017年の大谷選手がエンゼルスとの契約230万ドルである事から、ドジャースには約250万ドルの資金が残っていると言えます。

しかしながら2025年のドジャースの国際ボーナス・プールは約512万ドルで、こちらはサンフランシスコ・ジャイアンツと同額で最も少ないです。

2025 年の契約期間の国際ボーナス プールは以下の通りです。

7,555,500 ドル
レッズ、タイガース、マーリンズ、ブルワーズ、ツインズ、アスレチックス、マリナーズ、レイズ

6,908,600 ドル
Dバックス、オリオールズ、ガーディアンズ、ロッキーズ、ロイヤルズ、パイレーツ

6,261,600ドル
ブレーブス、レッドソックス、カブス、ホワイトソックス、エンゼルス、メッツ、ヤンキース、フィリーズ、パドレス、レンジャース、ブルージェイズ、ナショナルズ

5,646,200ドル
アストロズ、カージナルス

5,146,200ドル
ジャイアンツ、ドジャース

国際アマチュアフリーエージェントとボーナスプールマネーについての規定はこちらをご覧ください。

(※このコラムはこちらの記事を参考にしました。)

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