アメリカ野球殿堂入りメンバーを分析する

2022年はデヴィッド・オルティス氏がアメリカ野球殿堂入りしました。今年はニューヨーク州のクーパーズ・タウンでセレモニーが行われました。そして2025年にはイチロー氏の初年度入会が期待されます。

さて、ここではアメリカ野球記者協会の投票で選出される、アメリカ野球殿堂入りの情報についてまとめてみました。

選出方法

候補者

アメリカ野球殿堂入りの候補者は以下の条件を満たす必要があります。

・メジャー・リーグでプレーした選手で、選手を引退した年の翌年から5年が経過した翌年に候補者の資格を得ます。(※例えば、イチロー氏の場合、2019年3月21日の東京ドームの試合後に選手引退を発表しました。2020年~2024年の5年を経過した翌年2025年に初めて候補者になります。)

・少なくとも10シーズン、メジャー登録され試合に出場しているプレーヤーである必要があります。シーズン中に一時的に3A登録されていても前者の条件を満たしていれば資格を得ます。

・資格を獲得した年から10年間で野球殿堂入りできなかった場合、11年目に候補者の資格を失います。(※2022年にはバリー・ボンズ氏、ロジャー・クレメンス氏、カート・シリング氏が10年間で殿堂入りできなかったため、2023年より候補者リストから外れます。) また2017年までは資格を獲得した年から15年まで有効でした。

・各年の投票で得票率が5%に達しなかった場合、その年で候補者リストから外れます。(※野茂英雄氏(6票/1.1%)、松井秀喜氏(4票/0.9%)は1年目で外れました)

・現役選手もしくは選手を引退してから 5 年未満の選手が死亡した場合、その他の条件を満たしている候補者は、少なくとも 6 ヶ月後に行われる次の投票から資格を有するものとします。もしくは死亡日後に選手引退後に5 年が経過した場合のいずれか早い方に投票資格を得ます。(※ロイ・ハラデー氏は2013年12月9日に選手引退をしましたので、2019年に初めて候補者リストに載ります。2017年11月7日に飛行機事故で他界しました。2018年の投票まで6ヶ月未満でしたので、こちらの規定でも2019年に候補者リストに掲載されました。)

・ベースボールの不適格リストに載っている選手は、資格のある候補者とはなりません。(※不適格リストはこちら参考にして下さい。(英語版))

投票者

アメリカ野球記者協会の現役の会員で、少なくとも 10 年間野球記者として活動している者が投票資格を有します。また投票日の少なくとも 10 年前から野球記者、および協会のメンバーとして活動していなければなりません。

・投票者は候補者リストに掲載されている人物から 10 人以下の適格な候補者に投票することができます。リストに掲載されていない人物への投票は認められません。

・各年投票者数の 75 パーセントを獲得した候補者は、アメリカ野球殿堂のメンバーに選出されます。

2025年の候補者

2025年にはイチロー氏が候補者リストに入ります。イチロー氏の成績を確認してみましょう。

イチロー

打者成績(通算):打率:0.311、安打数:3,089、ホームラン数:117、打点:780、盗塁数:509、OPS:0.757

では、2022年以前10年間にアメリカ野球殿堂入りしたレジェンドをご紹介します。

2022年

デビッド・オルティス

打者成績(通算):打率:0.286、安打数:2,472、ホームラン数:541、打点:1,768、盗塁数:17、OPS:0.931

【投票結果】
1位:デビッド・オルティス:307票/394票(77.9%)、1年目
2位:バリー・ボンズ:260票/394票(66.0%)、10年目
3位:ロジャー・クレメンス:257票/394票(65.2%)、10年目

2021年

該当者無し

【投票結果】
1位:カート・シリング:285票/401票(71.1%)、9年目
2位:バリー・ボンズ:248票/401票(61.8%)、9年目
3位:ロジャー・クレメンス:247票/401票(61.6%)、9年目

2020年

2020年は新型コロナ・ウィルス感染の影響でクーパーズ・タウンでのファンを集めた式典は中止されました。

デレク・ジーター

打者成績(通算):打率:0.310、安打数:3,465、ホームラン数:260、打点:1,311、盗塁数:358、OPS:0.817

ラリー・ウォーカー

打者成績(通算):打率:0.313、安打数:2,160、ホームラン数:383、打点:1,311、盗塁数:230、OPS:0.965

【投票結果】
1位:デレク・ジーター:396票/397票(99.7%)、1年目
2位:ラリー・ウォーカー:304票/397票(76.6%)、10年目
3位:カート・シリング:278票/397票(70.0%)、8年目

2019年

マリアーノ・リベラ

投手成績(通算):82勝60敗652セーブ、防御率:2.21、投球回数:1,283.2、奪三振数:1,173

ロイ・ハラデー

投手成績(通算):203勝105敗1セーブ、防御率:3.38、投球回数:2,749.1、奪三振数:2,117

エドガー・マルチネス

打者成績(通算):打率:0.312、安打数:2,247、ホームラン数:309、打点:1,261、盗塁数:49、OPS:0.933

マイク・ムッシーナ

投手成績(通算):270勝153敗0セーブ、防御率:3.68、投球回数:3,562.2、奪三振数:2,813

【投票結果】
1位:マリアーノ・リベラ:425票/425票(100.0%)、1年目(満票選出)
2位:ロイ・ハラデー:363票/425票(85.4%)、1年目
3位:エドガー・マルティネス:363票/425票(85.4%)、10年目
4位:マイク・ムッシーナ:326票/425票(76.7%)、6年目

2018年

チッパー・ジョーンズ

打者成績(通算):打率:0.303、安打数:2,726、ホームラン数:468、打点:1,623、盗塁数:150、OPS:0.930

ウラジミール・ゲレーロ

打者成績(通算):打率:0.318、安打数:2,590、ホームラン数:449、打点:1,496、盗塁数:181、OPS:0.931

ジム・トーミ

打者成績(通算):打率:0.276、安打数:2,328、ホームラン数:612、打点:1,699、盗塁数:19、OPS:0.956

トレーバー・ホフマン

投手成績(通算):61勝75敗601セーブ、防御率:2.87、投球回数:1,089.1、奪三振数:1,133

【投票結果】
1位:チッパー・ジョーンズ:410票/422票(97.2%)、1年目
2位:ウラジミール・ゲレーロ:392票/422票(92.9%)、2年目
3位:ジム・トーミ:379票/422票(89.8%)、1年目
4位:トレーバー・ホフマン:337票/422票(79.9%)、3年目

2017年

ジェフ・バグウェル

打者成績(通算):打率:0.297、安打数:2,314、ホームラン数:449、打点:1,529、盗塁数:808、OPS:0.948

ティム・レインズ

打者成績(通算):打率:0.294、安打数:2,605、ホームラン数:170、打点:980、盗塁数:19、OPS:0.810

イバン・ロドリゲス

打者成績(通算):打率:0.296、安打数:2,844、ホームラン数:311、打点:1,332、盗塁数:127、OPS:0.798

【投票結果】
1位:ジェフ・バグウェル:381票/442票(86.2%)、7年目
2位:ティム・レインズ:380票/442票(86.0%)、10年目
3位:イバン・ロドリゲス:336票/442票(76.0%)、1年目

2016年

ケン・グリフィー・ジュニア

打者成績(通算):打率:0.284、安打数:2,781、ホームラン数:630、打点:1,836、盗塁数:184、OPS:0.907

マイク・ピアザ

打者成績(通算):打率:0.308、安打数:2,127、ホームラン数:427、打点:1,335、盗塁数:17、OPS:0.922

【投票結果】
1位:ケン・グリフィー・ジュニア:437票/440票(99.3%)、1年目
2位:マイク・ピアザ:365票/440票(83.0%)、4年目
3位:ジェフ・バグウェル:315票/440票(71.6%)、6年目

2015年

ランディ・ジョンソン

投手成績(通算):303勝166敗2セーブ、防御率:3.29、投球回数:4,135.1、奪三振数:4,875

ペドロ・マルティネス

投手成績(通算):219勝100敗3セーブ、防御率:2.93、投球回数:2,827.1、奪三振数:3,154

ジョン・スモルツ

投手成績(通算):213勝155敗154セーブ、防御率:3.33、投球回数:3,473.0、奪三振数:3,084

クレイグ・ビジオ

打者成績(通算):打率:0.281、安打数:3,060、ホームラン数:291、打点:1,175、盗塁数:414、OPS:0.762

【投票結果】
1位:ランディ・ジョンソン:534票/549票(97.3%)、1年目
2位:ペドロ・マルティネス:500票/549票(91.1%)、1年目
3位:ジョン・スモルツ:455票/549票(82.9%)、1年目
4位:クレイグ・ビジオ:454票/549票(82.7%)、3年目

2014年

グレッグ・マダックス

投手成績(通算):355勝227敗0セーブ、防御率:3.16、投球回数:5,008.1、奪三振数:3,371

トム・グラビン

投手成績(通算):305勝203敗0セーブ、防御率:3.54、投球回数:4,413.1、奪三振数:2,607

フランク・トーマス

打者成績(通算):打率:0.301、安打数:2,468、ホームラン数:521、打点:1,704、盗塁数:32、OPS:0.974

【投票結果】
1位:グレッグ・マダックス:555票/571票(97.2%)、1年目
2位:トム・グラビン:525票/571票(91.9%)、1年目
3位:フランク・トーマス:478票/571票(83.7%)、11年目

2013年

該当者無し

【投票結果】
1位:クレイグ・ビジオ:388票/569票(68.2%)、1年目
2位:ジャック・モリス:385票/569票(67.7%)、14年目
3位:ジェフ・バグウェル:339票/569票(59.6%)、3年目

過去のアメリカ野球殿堂入りの情報はこちらをご覧ください。

データ参照 baseball-reference.com

“アメリカ野球殿堂入りメンバーを分析する” への2件の返信

  1. ご苦労様です。MLBの歴史が好きで殿堂博物館には大変興味があります。今年12月選考の時代委員会の選出はF・マグリフとC・シリングと予想します。来年の1月はS・ローレンの殿堂入りを予想します。また、東京に行く事があると思いますので、2025年殿堂入りが確実と思われるイチロー選手の旅行プランについて(安く行ける)教えて下さい。m(_ _)m

  2. 佐々木様

    いつもコメントを頂きまして有難うございます。
    イチロー選手がノミネートされる2025年は2年先ですので、物価やドル円為替などの影響でコストは変動します。
    引き続き情報を収集した上で適宜ご提供したいと思います。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    こちらの記事もご一読願います。 
    2023年のアメリカ野球殿堂入り候補者: https://mlbtours.jp/?p=112235240 

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