グループAは戦力が拮抗し、まれに見ぬ混戦となり全5チームが2勝2敗で並びました。順位付けはWECが定めたルールである「失点率」で決しました。
【更新】WBC2023ファースト・ラウンドの順位決定方法(イタリアが日本と対決)
失点数で順位が決する
グループAの場合は以下の失点率で順位が決まりました。
失点率 = 総失点数 ÷ 総アウト数
総失点数:4試合で失点した総数です。
アウトの数:対戦相手の打者をアウトにした総数です。通常9回(イニング)で27アウトです。
つまり失点を少なくできる投手力と守備力に優れたチームが有利です。分母のアウト数も多い方が有利です。コールド勝ちですとアウトの数が少なくなりますし、延長戦にもつれるとアウトの数が多くなります。
投手戦で延長にもつれ、1-0勝利できれば失点率が小さくなるという理屈です。強力打線を擁し4勝するに越したことはありません。大量得点は対戦相手の失点率を上げる事になりますので大きなアドバンテージです。
それでも大勝した試合であっても油断せずに最小失点に抑える事がファースト・ラウンド通過の大きなポイントであった事は事実です。
グループAの順位と失点率
2連敗で始まったキューバが1位通過、2連勝で始まったオランダが敗退という結果になりました。パナマ、イタリア、台湾、オランダは1試合で9失点以上の試合がありましたが、キューバの最大失点は6点でした。この失点数が勝負の分かれ目でした。
チーム | 総失点(A) |
総アウト数(B) |
失点率 (A)÷(B) |
順位 |
キューバ | 15 | 108 | 0.139 | 1 |
イタリア | 17 | 108 | 0.157 | 2 |
オランダ | 19 | 102 | 0.186 | 3 |
パナマ | 21 | 105 | 0.2 | 4 |
台湾 | 31 | 105 | 0.295 | 5 |
日本チームの失点率
グループBの失点率
日本チームのグループBは日本の4勝で1位通過が決まっていますが、2位はまだ決まっていません。韓国が中国に勝ち、チェコがオーストラリアに勝つと、韓国、オーストラリア、チェコが2勝2敗で並びます。すると失点率で順位が決まります。
3月13日の試合開始前の失点率は以下の通りです。
チーム | 総失点(A) |
総アウト数(B) |
失点率 (A)÷(B) |
順位 |
日本 | 8 | 108 | 0.074 | 1 |
オーストラリア | 16 | 75 | 0.213 | 2 |
チェコ | 22 | 75 | 0.293 | 3 |
韓国 | 24 | 78 | 0.308 | 4 |
中国 | 28 | 72 | 0.389 | 5 |
失点率でもオーストラリアが有利です。
仮に日本以外の4チームが3月13日の最終戦を9回27アウトを0点で抑えた場合、失点率は以下の通りです。現実的には全チームが0点ですので延長に突入しますが、ここではシミュレーションとして9回27アウトで計算します。
チーム | 総失点(A) |
総アウト数(B) |
失点率 (A)÷(B) |
順位 |
日本 | 8 | 108 | 0.074 | 1 |
オーストラリア | 16 | 102 | 0.157 | 2 |
チェコ | 22 | 102 | 0.216 | 3 |
韓国 | 24 | 105 | 0.229 | 4 |
中国 | 28 | 93 | 0.301 | 5 |
総得点38点(1試合平均9.5得点)を上げている日本チームの打力は見事ですが、総失点8点(1試合平均2失点)と抑え込んでいる日本の投手陣の秀逸さが改めて証明されています。同時にヌートバー選手のスーパー・プレイ、源田選手を筆頭とした守備力の高さも目を見張るものがあります。(記録上失策は2です。)
準々決勝のイタリア戦、そして勝ち上がった場合のアメリカ本土での準決勝、決勝はまだ対戦相手は不明ですが、いずれも打力に突出したメジャー・リーガーを擁するチームだらけです。日本の投手力、守備力の高さを証明する絶好の機会が続きます。引き続き楽しく、息詰まる戦いを観戦しましょう。