WBCにおける負傷リスク

WBC2023もいよいよ終盤戦へ。東京・ラウンドからは日本とキューバがマイアミへコマを進めました。

ケガによる離脱

過去全てのWBCはレギュラー・シーズンが始まる前の3月に行われています。通常とは異なる調整をし、この時期にいきなりピークに持っていく必要があります。また調整のオープン戦や、162試合を戦うレギュラー・シーズンとは重みの違うWBCは毎試合気を抜く事ができません。ですからケガを負うリスクも高くなると思います。

日本チームのケガや離脱

WBCに合わせた調整が原因とは言い切れませんが、鈴木誠也選手がアメリカの調整段階で左わき腹に違和感を覚え、WBC出場を辞退しました。レギュラー・シーズンの開幕にも間に合わないと報じられています。ファースト・ラウンドでは源田選手が二塁に帰塁した際に小指を骨折しました。結果的にはチームから離脱はしませんでしたし、準々決勝にも出場していますが万全とは言えない状態です。さらに栗林投手は腰の張を訴えてチームを離脱しました。

3人ともWBCゆえの怪我とは言えませんし通常のシーズンでも起こり得ることです。しかし通常ならば約1ヶ月~2ヶ月のスプリング・トレーニング、オープン戦を経ての本番(レギュラー・シーズン)とはリズムが違います。

海外での怪我・離脱

日本以外のチームでもWBC開始前に複数人の辞退者が出ています。ヤンキースのコルテス投手は調整段階でのふとももの痛みを発症しアメリカ代表を辞退しています。試合での故障もフリーマン選手の事例など見受けられます。最も悲劇的な事故がディアス投手の身に起きてしまいました。

フレディ・フリーマン

2021年にMVPを獲得しているロサンゼルス・ドジャースの一塁手フレディ・フリーマンは、WBCのコロンビアとの試合で軽度ではありますがハムストリングに問題が発症し離脱しました。

ホセ・アルチューベ

2023年3月18日の試合でも悲劇は起こってしまいました。アストロズのリードオフマンのアルチューベ選手が死球を受け骨折。復帰まで時間がかかるようです。

WBC2023 アルチューベ選手死球で骨折

エドウィン・ディアス

ファースト・ラウンドを1位で通過したプエルトリコ代表のクローザーであり、MLBの代表的なクローザーでもあるメッツのクローザーは強豪のドミニカ共和国に勝利を収め1位通過を決めた試合でディアスを失う事になりました。マウンド上でチーム・メンバーが集まり抱きしめたり、飛び跳ねたりした過程で不幸な事故が起こってしまいました。右ひざを負傷したディアス投手は車椅子に乗せられてグラウンドを離れました。メッツは右膝の負傷と発表し、翌日の検査によりケガの具合を追って発表するでしょう。一部のメディアからは手術が必要で今シーズンは出場できないとも報じられています。

試合中ではないケガだけに本当に悔やまれます。

WBCではありませんが2010年のレギュラー・シーズンでも同様の事故は起こっています。エンゼルスのケンディ・モラレスがサヨナラ満塁ホームランを打ってホーム・ベースで待つチーム・メイトの輪に飛び込んで骨折し、2010年のみならず2011年のシーズンも出場できませんでした。

劇的な勝利は喜びを大爆発させたい感情は理解できますが、試合中のプレーでない不慮の事故で大事な選手を失うのは致命的です。

開催時期を見直すべきか?

チームがWBCに選手を出場させたくない理由は以上の事例からも理解できます。大金を払って契約した大事な選手を契約外の試合で失うのは致命的です。しかしサッカーのワールドカップでも、主力選手がケガにより長期離脱するケースはあります。ケガを完全回避するために世界的な大会を止める訳にはいきません。

ディアス投手のケースは試合中では無いので開催時期見直しの事例からは外れますが、開催時期を身体が出来上がっている時期、例えば4年に一度はオールスター・ゲームが行われる7月に2週間ほどをWBCに充てる。もしくはサッカーのようにファースト・ラウンドを前年に行い、ベスト8以降を1週間でコンパクトに実施するなど。さまざまなアイデアはこれまでも検討されていると思います。

年を重ねWBCの在り方も変わりつつあります。良いものは取り入れる決断の速いMLBには、より良い大会になるよう考えを巡らせて頂きたいと思います。

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