2025年いよいよイチロー氏がアメリカ野球殿堂入りの候補者リストに登録されます。殿堂入りが有力視されるイチロー氏ですが、MLB.comで紹介された展望をご紹介します。
イチロー・スズキ
イチロー氏は2025年に初めて殿堂入り投票に名を連ねることになりますが、注目は殿堂入りするか否かではなく満場一致(満票)で殿堂入りするかどうかです。
過去の投票ではマリアノ・リベラ氏は、唯一満場一致で殿堂入りしています。2人目の満票のチャンスがあるのはそれはイチロー氏です。27歳でMLB入りしたにもかかわらず3,000安打を達成、通算打率.311、そしてMLBのシーズン最多安打記録保持者でもあります。
さらにメジャー・リーグに入る前に日本プロ野球で1,278本のヒットを記録、プロ通算ヒット数は驚異の4,367本です。
CC・サバシア
CC・サバシア氏は2019年の第1回投票で選出されたロイ・ハラデー氏以来、候補者リストに名を連ねる先発投手です。インディアンス、ブルワーズ、ヤンキースで過ごした19年間のキャリアで251勝、3,093奪三振を記録し、クリーブランドでサイ・ヤング賞、ニューヨークでワールドシリーズ優勝を果たしました。ハラデー氏のように第1回投票で殿堂入りできるか注目です。
サバシア氏が殿堂入りした場合、先発投手が殿堂入り候補者が当面見当たりません。ザック・グレインキー、ジャスティン・バーランダー、クレイトン・カーショウらが現役を引退し殿堂入り資格を得るまでは先発投手が殿堂入りすることはないかもしれません。
ビリー・ワグナー
ビリー・ワグナー氏は2024年に73.8%の票を獲得しましたがわずか5票及ばず殿堂入りを逃しました。2025年は彼にとって10年目それは殿堂入り候補の最終年です。彼は殿堂入りできるだろうか?
チャンスはあります。ワグナー氏は毎年得票率を伸ばしています。過去3回投票率は51%、68.1%、73.8%に上昇しておりこの水準に達しますと加入入りできる傾向にあります。ワグナー氏はイチロー、サバシアとともに2025年の投票でビッグ・スリーの1人です。この圧倒的なクローザーは通算422セーブを記録し、防御率2.31、9イニングの奪三振数11.9、奪三振率33.2%は歴代最高です。
最近でも最終選考年に殿堂入りを果たした選手が数人います。ラリー・ウォーカーは2020年に10年目の投票で殿堂入りを果たし、エドガー・マルティネスも2019年に殿堂入りを果たしました。
カルロス・ベルトラン
通算成績からカルロス・ベルトラン氏が殿堂入りに値することは明らかです。ホームラン435本、盗塁312個を記録した一流のセンターフィールダーです。
過去2回の投票では殿堂入りには至りませんでした。その要因はおそらく2017年のアストロズののサイン盗みスキャンダルとの関連によるものと思われます。しかしベルトラン氏は2023年に46.5%、2024年に57.1%を獲得しています。。
2年めで50%を突破し、1年目から 2年目にかけて大きく得票率を伸ばしたことから、ベルトラン氏は今後数年で殿堂入する好位置にいます。2025年の得票率が注目されます。
フェリックス・ヘルナンデス
フェリックス・へルナンデス氏はサバシアうじとともに殿堂入り候補リストに加わりますが、殿堂入りのチャンスはあるのでしょうか?
キング・フェリックスは2009年から2015年までMLB最高の投手として活躍し2010年にサイ・ヤング賞を獲得して絶頂期を迎えました。防御率2.27でMLB最優秀防御率を受賞し、232奪三振、249 2/3イニングの投球回でアメリカン・リーグトップの成績でした。さらに完全試合も達成しています。それでもヘルナンデスが殿堂入りする可能性は低いかもしれません。
ツインズでサイ・ヤング賞を2回受賞し、投手三冠王を獲得し、絶頂期には世界最高の投手と言われたヨハン・サンタナ氏は殿堂入りに値する選手でした。しかし、その絶頂期は短すぎました。実際にサンタナ氏は1年目で5%の得票率に満たず殿堂入り候補者リストから外れました。キング・フェリックスは、通算奪三振数がサンタナの1,988に対して2,524と、サンタナよりわずかに優れていますが、それでも殿堂入りするほどの長寿な選手ではなかったかもしれません。
チェイス・アトリー
チェイス・アトリー氏もマウアー氏と同じようなタイプの候補者として候補者リストに加わりました。彼も二塁手としては同時代最高の選手の一人として絶頂期を過ごしましたが長続きはしませんでした。
アトリー氏はマウアー氏ほどの支持は得られず、マウアーが選出された2024年には得票率は28.8%でした。アトリー氏が殿堂入りにたどり着くまでには、まだまだ時間がかかると予想されますが、トッド・ヘルトン氏やスコット・ローレン氏のような例もありますので今後が注目です。
同世代の二塁手ではダスティン・ペドロイア氏とイアン・キンズラー氏も候補者リストに加わります。3人とも通算WARが50を超えておりアトリー氏が64.5でトップ、キンズラー氏が54.1、ペドロイア氏が51.9です。ペドロイア氏はボストンで14シーズンでMVP賞、新人王賞、ワールド・シリーズを2回制覇しています。キンスラー氏はレンジャーズとタイガースで4回オールスターに選ばれ、通算1,999安打、257本塁打、243盗塁の成績でキャリアを終えました。
アンドリュー・ジョーンズ
ベルトラン氏と同様に、ジョーンズ氏も攻撃面でも守備面でも一流の中堅手でした。ゴールド・グラブ賞を10回受賞したジョーンズは、史上最高の守備の中堅手であり通算434本のホームランを打っています。
ブレーブスのアイコンであるジョーンズは、2025年に殿堂入り資格の8年目を迎えます。つまりBBWAA投票による殿堂入りのチャンスはあと3回あります。ジョーンズ氏は2024年にはこれまでで最高得票率61.6%を獲得しました。2018年の初年度から7.3%伸びています。ラリー・ウォーカー氏の前例になぞれば、最後の数年間で野球殿堂入りする可能性はあります。
(※このコラムはこちらの記事を参考にしました。)