千賀滉大投手がナショナル・リーグのサイ・ヤング賞レースに食い込んできました。現時点の候補投手は、ブレイク・スネル投手、スペンサー・ストライダー投手、ザック・ギャレン投手、ザック・ウィーラー投手といったビッグ・ネームが連なっています。 しかし千賀投手も彼らに肉薄しています。
数字でみる千賀投手
数字で確認しましょう。
pitching run value
防御率3.08はナショナル・リーグ3位、176奪三振は9位、11.1K/9は4位です。 そしてスタット・キャスト(Statcast) には、pitching run value という投手の能力を判定する指標があります。これは投手が投げたすべての投球の結果から、失点を阻止した数字を算出します。 この基準から千賀投手はMLBでトップ5に入ります。ナショナル・リーグで千賀投手を上回るスネル投手のみです。
1. ゲリット・コール(ヤンキース): 33失点阻止
2. ブレイク・スネル(パドレス): 32失点阻止
2. ソニー・グレイ(ツインズ): 32失点阻止
4. フェリックス・バウティスタ(オリオールズ): 25失点阻止
5. 千賀滉大(メッツ):23失点阻止
5. ザック・ウィーラー(フィリーズ):23失点阻止
5. アーロン・シヴァーレ(ガーディアンズ): 23失点阻止
メッツにはジェイコブ・デグロム投手、マックス・シャーザー投手、ジャスティン・バーランダー投手はいませんが価値のあるエースがいると言えます。そして現時点の失点阻止はバーランダー投手(16失点阻止)とシャーザー(9失点阻止)の2投手の合計に相当するとも言えます。
質の高い球種
千賀投手の切り札はゴースト・フォークです。しかしフォーシーム、カット・ボールの質も高いためゴースト・フォークがより効果的な球種になり得ています。千賀投手のフォーシームは99マイルを計測し、51奪三振を記録しています。そして、ゴースト・フォークで96奪三振で、これは通算176奪三振の半分を超えています。そして2023年のMLBでの奪三振数トップ10に入っています。
千賀投手がフォーク・ボールで打ち取った決まった打席中約60%が三振です。個別の球種毎では千賀投手のフォーク・ボールはMLBで3位の奪三振率を記録しています。(球種毎の打者への最終投球が100打席以上を対象) さらに、千賀投手はゴ ースト・フォークでは1本もホームランを打たれていません。
ホームランを打たれていない球種でかつ奪三振のランキング
1. 千賀滉大投手のフォークボール:96
2. ソニー・グレイ投手のスイーパー:94
3. シェーン・マクラナハン投手のチェンジアップ:55
4. クリス・ストラットン投手のフォーシーム:49
5. グレゴリー・サントス投手のスライダー:45
下表では9位ですが、上位8投手は決め球の球種でホームランを打たれています。
さらに千賀投手のゴースト・フォークは空振り率は突出しています。打者がスイングした60%は空振りをしています。 (球種毎に200スイング以上を対象)
1. 千賀滉大投手のフォークボール:60.2%
2. スペンサー・ストライダー投手のスライダー:57.0%
3. ブレイク・スネル投手のカーブ: 55.0%
4. シェーン・マクラナハン投手のチェンジアップ:54.1%
5. ヘスス・ルザルド投手のスライダー: 50.6%
エース投手は質の高い決め球を持っています。ゴースト・フォークは千賀投手の最高の決め球です。
(※このニュースはこちらの記事を参考にしました。)