ミルウォーキー・ブルワーズのマット・アーノルド氏が年間最優秀エグゼクティブ賞を獲得しました。この賞はポスト・シーズン開始前に全30球団の幹部による投票で選ばれます。
予想を覆す躍進
2024年2月にマット・アーノルドはエースのコービン・バーンズ投手をオリオールズにトレードするという苦渋の決断を下しました。また前年にもクレイグ・カウンセル監督も同地区ライバルのシカゴ・カブスに移籍しています。このような事情から2024年のブルワーズの苦戦が予想されていました。
しかしこの予想を覆し2024年のレギュラー・シーズンに93勝を挙げ地区優勝を果たしました。この働きが認められMLBの2024年年間最優秀エグゼクティブ賞に選ばれました。この栄誉を獲得した初のブルワーズ幹部です。
チーム改革に着手
アーノルド氏が2024年シーズンに向けて最初に行った大きな動きは、11月中旬にベンチ・コーチであるパット・マーフィー氏をカウンセルの後任に指名したことです。これはチームの方向性を定める重要な采配でした。
そしてブルワーズは有望株のジャクソン・チョウリオ選手と8年8200万ドルの契約を結びました。この契約はメジャー・リーグ経験のない選手にとっては記録的な契約額です。この契約に違わぬようにチョウリオ選手は20本塁打/20盗塁を記録した最年少選手になりました。
フィラデルフィア・フィリーズからリース・ホスキンス選手を獲得し、バーンズ投手とのトレードで獲得したジョーイ・オルティス選手はルーキー・シーズンながら好成績を残しました。
壊滅的な投手陣の立て直し
しかし影響が大きかったのは投手陣でした。先発2番手のブランドン・ウッドラフ投手は肩の手術を受け2024年シーズンは欠場しました。エースのバーンズ投手がオリオールズに移籍したことで、ブルワーズは投手陣に大きな穴が開きました。クローザーのデビン・ウィリアムズ投手も背中の疲労骨折でシーズン4か月を欠場しました。崩壊状態です。そこでアーノルド氏はトバイアス・マイヤーズ投手(9勝6敗、138イニングで防御率3.00)、ジャレッド・ケーニグ投手(62イニングで防御率2.47)、ブライアン・ハドソン投手(62 1/3イニングで防御率1.73)など実績の少ないFA選手と契約しました。シーズン途中にはアーロン・シバレ投手(6勝3敗、74イニングで防御率3.53)とフランキー・モンタス投手(3勝3敗、57 1/3イニングで防御率4.55)をトレードで獲得しました。実績が豊富な投手はいませんが皆着実にチームに貢献しました。
たどり着いた地区優勝
開幕前の予想は79勝でしたが14勝多い93勝しました。これは2024年のメジャー・リーグでドジャース、フィリーズ、ヤンキースに次ぐ4番目に多い勝利数です。ブルワーズは2018年以降4回の地区優勝を果たし6回ポスト・シーズンに進出しています。
投票で2位だったのはカンザスシティ・ロイヤルズのGM、J.J.ピコロ氏、2022年に1位だったクリーブランド・ガーディアンズの球団社長、クリス・アントネッティ氏が3位でした。
アーノルド氏の受賞の模様はこちらをご覧ください。
過去の受賞者
2018年:ビリー・ビーン(アスレチックス)
2019年:エリック・ネアンダー(レイズ)
2020年:アンドリュー・フリードマン(ドジャース)
2021年:ファルハン・ザイディ(ジャイアンツ)
2022年:クリス・アントネッティ(ガーディアンズ)
2023年:マイク・エリアス(オリオールズ)
(※このニュースはこちらの記事を参考にしました。)