メジャー・リーグの球場は、以前まではホームプレート後方の一角にのみバックネットと言われるネットが張られていました。ダッグアウト上から両翼のポールまでの間にはネットが張られていない球場が殆どでした。ネットがありませんので、試合は見やすい、写真は撮りやすい、選手からサインをもらいやすいというメリットが存在していました。
これらのメリットと相反するリスクは、ファール・ボールを直撃することによる観客の怪我です。稀ですがバッターが手を滑らせて、振ったバットが客席に飛び込むこともあります。それでもネットの拡張は限定的でありましたし、全く変わらない球場もありました。しかしながら2018年にドジャースタジアムで観客が亡くなる事故が起こってしまいました。この事故が契機になったのでしょう。近年内野席にネットが拡張されるようになりました。
ヤンキースタジアムの場合
一例として2021年のヤンキースタジアムの内野席ネットの状態をご紹介します。
保護ネットは、一塁/右翼側のセクション11から三塁/左翼側のセクション29の間に張られています。これは両翼のポールと一塁・三塁ベースの中間点よりもやや外野寄りまでの区画です。
ネットはホームプレートの後ろ、セクション18からセクション021Bの間では、フェンスの上端から31フイート(約9.5m)の高さまで張られています。この高さから両翼に向かって徐々に低くなりセクション17Bおよびセクション22の前では、11フィート6インチ(約3.5m)伸びています。この高さはセクション11、セクション29まで続きます。
ダッグアウト上の保護ネットは、全スパンにわたってダッグアウトの上9フィート(約2.7m)上にありますが、試合が始まる前までは、下から3フィート(約0.9m)の高さまでネットを巻き取り、空間を空けます。よって試合開始前が写真撮影やサインをもらうチャンスです。
ヤンキースタジアムのレイアウト図はこちらをご参照下さい。
これらのセクションの観客にはバットやボールでの怪我のリスクがある事をアナウンスしています。メジャー・リーグを観戦する際には事故に合わないように注意しましょう。
またネットが張られている位置は変わる事があります。最新の情報を確認して球場に出かけるようにしましょう!
(※写真、動画は2018年のものです。)