アメリカ野球殿堂博物館前にはメジャーリーグのみならずベースボールの歴史を知れる展示物が多数展示されています。
展示しきれない野球道具なども倉庫に保管されているようです。
その博物館の1階のメイン展示場である「プラーク・ギャラリー」にはアメリカ野球殿堂入りしたレジェンドのプラーク(盾)が等しく展示されています。
プラークは殿堂入りしたメンバーの共通の証と言えます。
プラーク観覧のテクニック
殿堂入りの証、プラークを観覧するにもいろいろなアプローチがあります。
特に新メンバーのプラーク観覧について筆者の経験を踏まえ述べたいと思います。
プラーク掲示前に観る
新メンバーのプラークはインダクションセレモニー(Induction Ceremony)終了後に掲示されます。
掲示されてしまうと観れなくなるものがあります。それは新メンバーのサインです。プラークが展示されるボードに直筆のサインを書く習慣は2017年から始まったそうですが、通常殿堂入り決定後最初の公式訪問(Orientation Visit)の際に書かれるようです。つまり一般のファンがこのサインを観ることができるのは約半年間です。
インダクションセレモニー前日までこのサインを見学することから始めては如何でしょうか?
プラークが展示される瞬間に立ち会う
インダクションセレモニーは通常日曜日の午後開催されます。この式で新メンバーはプラークが授与されますが、その後プラークは本人の手元を離れ野球殿堂博物館のプラーク・ギャラリーに展示されます。ではこのプラークはいつ掲示されるのか、それはインダクションセレモニー当日の夜、概ね19時頃です。
通常この時期の博物館は19時に閉館しますが、この日に限り閉館時間は21時です。ツアー参加者はホテルに戻っていますので、この瞬間に立ち会える人は多くはありません。
2025年は一般のファンは100名ほどだったと思います。
そして19時が過ぎ、アメリカ野球殿堂博物館のスタッフが5人の新メンバーのプラークを両手で持ち、取材陣、ファンの前で高々と掲げます。そしてサインが書かれた所定の位置にネジで固定します。
このシーンは感動の瞬間です。2度と拝むことができません。
掲示後はファンは列を作りプラークの写真を撮ります。
ポイント
・プラーク掲示の瞬間は図書館に通じる通路、1936 The First Classのプラーク上部の通路は特等席です。
メインフロアのファンはエリア規制があるためその瞬間を観ることができません。
あらかじめこの場所を確保すると良いでしょう。
・プラークとの2ショット写真は陽が傾いたこの日が最適です。
多くのファンは翌日の午前に博物館を訪れて写真を撮りますが、2階天井のガラスから陽が差し込みます。窓のフレームの影がプラークと重なりますので陽の入らない前日夜間をお勧めします。
インダクションセレモニーの翌日朝
この日は10時30分からダブルディ・フィールドでThe Road to Cooperstownというトークショーが開催されますが、その直前に観覧することもお勧めします。なぜお勧めするか? それはこの日の朝、新メンバーがプラーク・ギャラリーを訪れ、メディア向けにプラークの前で写真撮影が行われます。つまり開館と同時に入館しますとレジェンドを至近距離でお目にかかることができるからです。2025年もイチロー氏(と弓子夫人)はじめ5名の新メンバー本人、家族を目撃することができました。
付加情報
・公式サイトの情報では通常の開館時間は9時、野球殿堂会員は8時入館可能と記載がありましたが、実際には等しく9時開館でした。当日何人かのスタッフにこの件を確認しましたが、担当外七日回答が曖昧でした。しかし良い場所を確保するには早めに並ぶことが賢明です。
・新メンバーの入り待ち、出待ち。プラーク・ギャラリーでの目撃を犠牲にしてこちらを選ぶファンもいます。図書館口から新メンバーは入場しますので朝早くから待ちます。サインに応じてくれるレジェンドもいました。
これまでに何度かHall of Fame Weekendに参加していますが、回を重ねるごとに学びになります。2025年の今回も学びました。本物のファンは常にアンテナを立て、仲間と情報交換をし、臨機応変に動くことができます。彼らを俯瞰して観ることでも新しく知れることがありました。
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