2025年にイチロー氏が資格初年度に野球殿堂入りするかどうかは、もはや問題ではありません。むしろ満場一致で殿堂入りする初の野手選手になるかどうかが問われています。今週初めに発表された2025年野球殿堂入りリストにマリナーズのスター選手フェリックス・へルナンデス氏とともにイチロー選手は14人の新候補者の1人ですが、2025年1月21日の発表でイチロー氏は確実に殿堂入りに選ばれるでしょう。
満票での殿堂入りなるか?
2024年までに満票での殿堂入りは唯一、ヤンキースのクローザーを務めたマリアノ・リベラ氏のみでそれ以外の346人は違います。2016年のマリナーズの偉大な選手ケン・グリフィー・ジュニア氏は史上最高の選手と言われましたが全440票から3票の投票漏れがありました。2020年のデレク・ジーター氏も全397票のうち1票の投票漏れがありました。
過去に投票した記者たちの多くは投票した人物を公表していますが、反面公表を控える記者もいます。満票でなかったジーター氏とグリフィー氏の時には、犯人捜しまで発展したというニュースが飛び交いました。ベーブ・ルース、ウィリー・メイズ、ハンク・アーロンのような偉大なメンバーも満票ではありません。つまり仮にイチロー氏が満場一致で選ばれなかったとしても大きなショックではないとも言えます。
2024年は総数は385票でしたが、2025年はBBWAA会員資格を持つ記者たち400人(400票)が投票します。投票数は毎年変動します。その投票資格は、現役会員または名誉会員であり、少なくとも10年間野球記者として活動しているという条件があります。
イチロー氏の足跡
イチロー氏の輝きはの数字がすべてを物語っています。アメリカン・リーグで首位打者を2度、ゴールドグラブ賞を10度獲得、打率.311、安打3,089、本塁打117、打点780、盗塁509を記録しておりますし、2004年には年間最多安打262安打を放ちました。2024年時点で破られていません。
殿堂入りに値するのは、フィールド上でのパフォーマンスだけではありません。イチロー氏は現役を引退した今でも野球界への影響があります。この点こそイチロー氏が注目されるべきです。
ポスティング契約でメジャー・リーガーとなった最初の日本人野手ですし、その後に松井秀喜氏、青木宣親氏、大谷翔平選手たちの道を切り開いた第一人者と言えます。2024年時点でもマリナーズの会長特別補佐として、今でも野球界に大きな影響力を持っています。毎年スプリング・トレーニングで選手をサポートし、シーズン中もTモバイル・パークに定期的に姿を見せ、フリオ・ロドリゲス選手をはじめとする選手をサポート、育成に取り組んでいます。
インタビューのコメントから
これまでを振り返って、イチロー氏も2023年オールスター戦前に通訳アレン・ターナー氏を通じてMLB.comに語っています。
「アメリカの多くの人々は私(イチロー氏)がMLBで見せたパフォーマンスを通じて日本の野手を評価するという事を本当に心に留めていました。ですから当然失敗は許されないですし、普通の成績では評価に値しません。」
「これまでたどった道のりが私の人生だと言ってもいいと思います。(“I think you can say that this is my life“)」と2023年のインタビューでも語っています。
続けて「これ以外にできることは何もありません。これが私がここにいる理由、私が生きている理由のようなものなのです。( “There's nothing else I can do but this so this is kind of why I'm here, why I'm alive.”)」
革命的な才能の持ち主で、後を継ぐ人々のために道を切り開き、今もこの競技に貢献し続けているイチロー氏、2025年1月の発表が楽しみです。
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