MLB.comの記者が投手 大谷翔平選手について記事を書いていましたので紹介します。記事のタイトルは意訳しますと「大谷翔平投手がエリートになったもう1つのスキル」でしょうか。
四球の減少
みなさんは既に気づいていると思いますし、日本のニュースでも既に報じられていますが、2021年後半戦から大谷翔平投手の与四球が減少しました。記事では以下のようなデータを紹介しています。
2021年の23回の登板と2022年の1回目の登板合計24試合を前半12試合と後半12試合に分割した数字です。
前半(2021年4月4日から2021年6月30日まで):四球率14%。 280投手中22番目に高い割合
後半(2021年7月6日から2022年4月12日まで):四球率3%。304投手中6番目に低い割合
前半は60イニングの投球回数に対し35個の四球を与えましたが、後半の12回は75イニングで10個しか四球を与えていません。またOBP(出塁率)も前半の.322から後半には.254まで低下しているそうです。四球を出さない事により、前半の平均投球回数は5回でしたが、後半には6.2回まで延びています。つまり大谷投手は四球を与えるという点で、最悪の投手の一人から最高の一人に変わったとつづっています。
何が変わったのでしょうか?
普通に考えますとストライクが多くなり、ボールが少なくなると当然四球も減ります。しかし大谷翔平投手の場合前半と後半でのストライク・ゾーンに投球した割合は前半が45%、後半が46%でほぼ変わりありません。大きく変わったのはバッターへの初球の入り方です。前半はストレートが50%を占めていましたが、後半は30%強、その代わりにスプリッター、スライダー、カーブが増えています。(以下のグラフを参照)
その結果、以下のような数字が出ています。
前半(2021年4月4日から2021年6月30日まで):
ストライクを振った割合(Swing%):44%、ボール球を振った割合(O-Swing%):25%
(この数字はこちらを参照)
後半(2021年7月6日から2022年4月12日まで):
ストライクを振った割合(Swing%):51%、ボール球を振った割合(O-Swing%):34%
(この数字はこちらを参照)
いろいろな表現がありますが、ボール球で勝負をする。ボール球を振らせる。打たせて取る投球。でしょうか。奪三振は減りますが、1人のバッターへの投球数を減らし、より長いイニング投げるスタイルへの変化です。
記者は四球で簡単にバッターを歩かせない点でも大谷翔平投手がエリートと言えると結んでいます。
(※このコラムはこちらの記事を参考にしました)