MLBは、ワールドシリーズが終了すると、次は、個人賞の発表があります。
その個人賞の中で、そのシーズンに最も活躍した選手に贈られる賞がMVPとなります。
2021シーズンのアメリカンリーグは、大谷翔平選手が満票でMVPを獲得しました。ナショナルリーグでは、ブライス・ハーパー選手がMVPに輝きました。
果たして今年はどのプレーヤーがMVPに輝くでしょうか?
MVPの発表は、アメリカ東部時間11月17日午後6時(日本時間の11月18日の午前8時)となりますが、その前に最終候補者(ファイナリスト)3名が発表されます。このファイナリストが、アメリカン時間の11月7日夕方/日本時間の8日の朝)の発表になります。ここでは、各リーグのMVP候補のファイナリストに残った選手の2022シーズンの成績をまとめております。
アメリカンリーグのMVP争い
2022シーズンは、投打ともにリーグ上位の成績を残した大谷翔平選手の2年連続のMVPか、アメリカンリーグのホームラン記録を更新し、62本塁打を記録したヤンキースのアーロン・ジャッジ選手か、アメリカンリーグは一騎打ちになりそうです。もう1人は、アストロズのアルバレス選手になりました。
アーロン・ジャッジ選手(ヤンキース)
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
157 | 570 | .311 | 133 | 177 | 62 | 131 | 111 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
19 | 16 | 175 | 14 | .425 | .686 | 1.111 | 10.6 |
ヨルダン・アルバレス選手(アストロズ)
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
135 | 470 | .306 | 95 | 144 | 37 | 97 | 78 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9 | 1 | 106 | 12 | .406 | .613 | 1.019 | 6.8 |
大谷翔平選手(エンゼルス)
打者としての成績
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
157 | 586 | .273 | 90 | 160 | 34 | 95 | 72 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
14 | 11 | 161 | 6 | .356 | .519 | .875 | 9.6 |
投手としての成績
勝利 | 敗戦 | 防御率 | 登板数 | 投球回 | QS | 奪三振 | 奪三振率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
15 | 9 | 2.33 | 28 | 166 | 16 | 219 | 11.87 |
被安打 | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 与四球 | 被OPS | K/BB | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|
124 | 45 | 43 | 14 | 44 | .574 | 4.98 | 1.01 |
ナショナルリーグのMVP争い
ナショナルリーグのMVP争いは、カージナルスのポール・ゴールドシュミット選手が本命とみられています。
結果的には、主要部門では無冠に終わりましたが、シーズン途中まで三冠王の可能性も感じさせる活躍を見せました。候補になるのは、同じカージナルスのアレナド選手とパドレスのマチャド選手になりました。
ポール・ゴールドシュミット選手(カージナルス)
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
151 | 561 | .317 | 106 | 178 | 35 | 115 | 79 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 141 | 7 | .404 | .578 | .982 | 7.8 |
マニー・マチャド選手(パドレス)
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
150 | 578 | .325 | 100 | 172 | 32 | 102 | 63 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 9 | 133 | 12 | .366 | .531 | .897 | 6.8 |
ノーラン・アレナド選手(カージナルス)
試合数 | 打席 | 打率 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
148 | 557 | .293 | 73 | 163 | 30 | 103 | 52 |
敬遠 | 盗塁 | 三振 | 併殺打 | 出塁率 | 長打率 | OPS | WAR |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 5 | 72 | 15 | .358 | .533 | .891 | 7.9 |
指標
MVP! 各リーグで最も活躍した選手に贈られる賞。打者、投手の個人タイトル、打撃に優れたシルバー・スラッガー賞、守備に優れたゴールド・グラブ賞など様々なタイトルがありますが、これらを総合して最も優れた選手に贈られるタイトルがMVPです。
大谷翔平選手の場合、二刀流で抜群の成績を残し、多くの部門でトップ5入りしていますが、打撃部門例えばシルバー・スラッガー賞やハンク・アーロン賞、投手部門例えばサイ・ヤング賞に限定するとアーロン・ジャッジ選手、ジャスティン・バーランダー投手に後れを取ってしまいます。
ところがMVPは、ポジションに関わらず総合的に最も活躍した選手に贈られる賞ですので、二刀流でいずれもトップ・クラスの成績を残した大谷翔平選手がどのように評価されるかが見ものです。
WAR(Wins Above Replacement
平均的なベンチ入りしている選手と比較して、どのくらい勝利に貢献しているか価値がある選手なのかを数値化して評価するものです。
・平均的な野手のレギュラー選手: WAR=2 程度
・平均的な控え選手: WAR=0~1程度
・平均的な先発投手: WAR=2 程度
・平均的なリリーフ投手: WAR=1程度
2022年のWARのトップ2はジャッジ選手と大谷翔平選手でそれぞれ10.6、9.6と評価されていますので平均的な選手の5倍の価値と言えましょう。
1. アーロン・ジャッジ(野手) 10.6
2. 大谷翔平(TWP:二刀流) 9.6
データ参照(投手): https://www.baseball-reference.com/leagues/majors/2022-pitching-leaders.shtml
データ参照(野手): https://www.baseball-reference.com/leagues/majors/2022-batting-leaders.shtml
項目毎に細分化されていますが、上記のいずれのURLでも「Wins Above Replacement--all」の数値をご覧ください。
OPS(On-base Plus Slugging)
出塁率(OBP)と長打率(SLG)を加算した数値です。 出塁率はヒット、フォアボールなど出塁する能力で、長打率はあらゆるヒットに重みをつけて加算し打席数で割ったものです。具体的には(1B+2B×2+3B×3+HR×4)/ABの公式で算出されます。長距離打者であるが高打率を残せる、そしてフォアボールを選ぶ選球眼も兼ね備えた選手の能力を表現する数値と言えます。
・.800以上: 平均以上のパフォーマンス
・.900以上: オール・スターに選出されるレベル
・.1000以上: MVP争いができるレベル
歴代通算最高のOPSを記録した選手はベーブ・ルースで1.164で、現役選手ではマイク・トラウト選手の1.002(2022年レギュラー・シーズン終了時点)です。
歴代のOPS:All-Time MLB Player Hitting Stats | MLB.com
2022年単年ではジャッジ選手、アルバレス選手が1.000を超えています。