MLB.comに大谷翔平選手のトレード先に関する記事が掲載されました。その記事の概要をご紹介します。
2022年のエンゼルスのチーム成績は73勝89敗で8 シーズン連続でプレイ・オフに進出することができていません。大谷翔平の発言が「シーズンについて否定的な印象」と伝わってしまうのはこのチーム成績を考えると理解できると言えます。
一般的にマイク・トラウトというスーパー・スターが所属しており、さらに大谷翔平選手のような実力も人気も兼ね備えた選手をかかえているチームは優勝を目指して結束しているはずですが、エンゼルスのオーナーはチームの売却を検討しているこの状況は普通ではありません。大谷翔平選手は 2023年に調停で 3,000 万ドルの契約を結びましたが、その後フリー・エージェントになり他球団と交渉することができるようになります。
理解できないかもしれませんが、エンゼルスはこの冬に大谷選手をトレードすることを検討するかもしれません。「史上最高の選手」でありながらエンゼルスが契約を「保証されたシーズンは 1 シーズンしかない」という状況を考えますと、適切なトレードは困難だと思われます。ムーキー・ベッツやフランシスコ・リンドーアなどのスーパー・スターでもフリー・エージェントの前にトレードが成立した例はありますが、大谷翔平選手のトレードに応じるチームを想像するのは簡単ではありません。
移籍先の考察
2023年に戦力が整っていないチーム
大谷翔平選手が移籍を考える場合、プレイ・オフに進出できる可能性が高いチームを選択すると思われます。この点から2023年のペナント・レースの戦力が整っていないチームを選択する可能性は極めて低いと思われます。
ナショナルズ、パイレーツ、レッズ、アスレチックス、ロッキーズ、タイガース
チームは改善しつつあるが獲得には厳しいチーム
2023年は監督を交代しチームの再建を目指しますが、大谷選手の獲得には至らないと思われます。
ロイヤルズ、ダイヤモンドバックス、マーリンズ
獲得に動かないと思われるチーム
大谷選手に興味はあるものの、このチームには移籍しないと思われるチームです。
ブルワーズ、ツインズ、ガーディアンズ、ホワイトソックス
ワールド・チャンピオンになる可能性のあるチーム
2022年にワールド・チャンピオンを争った2チームです。アストロズの場合、エンゼルスにとって同地区ですのでトレード先と考える可能性は極めて低いですし、ピッチャーもDHも充実していますので大谷選手が補強ポイントにはなりにくいと思われます。
フィリーズは、ブライス・ハーパー、カイル・シュワーバー、ニック・カステラノスを始めとする強力打線を形成する選手がいます。彼らの年俸を支払った上で大谷選手に投資をする事、もしくは彼らを交換相手にトレードを仕掛ける可能性は低いと予想します。
アストロズ、フィリーズ
長期的な展望を考えて可能性のあるチーム
ジャイアンツは主力選手が引退もしくは引退間近であり、ピッチャーのスタッフも充実しているとは言えません。このような事情からスター選手、パワー・ヒッターの獲得を目指すと思われます。ヤンキースからFAになるアーロン・ジャッジの獲得に動く事も考えられることから大谷選手にも触手を伸ばす可能性はあります。
ジャイアンツ
可能性は極めて低いものの注目のチーム
レイズが大谷選手に長期契約を提供する可能性はほとんどありませんしかし、レイズの戦略は人々を驚かせることであり、大谷選手の獲得以上に驚くべきことはあるでしょうか。レイズには1 年間の給料を支払う余裕はあります。またレイズは近年プレイ・オフ進出の常連でもあります。水面下ではトレードにも積極的に動いています。
レイズ
チームの再建を進めるチーム
名門チームですが低迷するチームを再建する方向に舵を切っているチームです。大谷選手を補強したい考えがあると思われますが、チームの方針と合致するかがポイントとなりそうです。
レッドソックス、カブス、オリオールズ
エンゼルスが希望しないチーム
エンゼルスと同地区のチーム、同都市のチームは強いライバル関係にありますので、チームの柱の大谷選手には移籍して欲しくないと考えるチームです。でもそれはあくまでチームの考えであり、大谷選手の考えと一致しているとは言えません。ここに上げる3チームには獲得する理由があります。
ドジャースの場合、資金は十分ありますし、投手陣ではウォーカー・ビューラーの負傷、クレイトン・カーショウの年齢、打撃陣ではジャスティン・ターナーとコーディ・ベリンジャーの離脱の可能性からも大谷選手を補強する理由はあります。マリナーズも若手が台頭し、適宜戦力補強も行い2022年にプレイ・オフに駒を進めました。大谷選手という投打の軸を獲得できればアストロズと十分戦える戦力になるでしょう。
ドジャース、マリナーズ、レンジャーズ
補強に積極的なチーム
パドレスは近年補強に積極的なチームです。2021年にはダルビッシュ投手、ブレイク・スネル投手を補強、2022年もトレードでフアン・ソト選手、ジョシュ・ベル選手、ブランドン・ドルーリー選手、ジョシュ・ヘイダー投手を補強しています。また2018年に大谷選手がMLBに移籍した際の最終候補チームにも残っています。
パドレス
ベストなチーム
それでは、資金面でもチーム戦力でも2023年もプレイ・オフ進出を最優先の条件とした場合もトップ5のチームは以下の通りです。
5位:ブレーブス
ブレーブスのチーム・メンバーを考えた場合、長期契約に署名した若い才能ある選手が多い魅力あるチームです。 2022 年のブレーブスにとってDH が大きな弱点であることから獲得に動く可能性はあります。
4位:ヤンキース
ヤンキースはすでにエンゼルスにオファーを試みており資金面でも人気面での戦力でも魅力的なチームです。しかし伝統ある球団ゆえの制限もあることから、獲得の噂にあがったブライス・ハーパー、マニー・マチャド、カルロス・コレアは入団していません。アーロン・ジャッジ選手の動向が気になりますが、それでも大谷選手を獲得する意思はあると思います。
3位:カージナルス
アルバート・プホルスとヤディアー・モリーナが引退し、アダム・ウェインライトが最終年を迎える2023年、セントルイスは変化の時を迎えています。MVPに輝いたポール・ゴールドシュミットは高いレベルでプレーしていますが、来シーズンでに36歳です。そしてDHに空きがあります。
2018年にはゴールト・シュミット、2020年にはアレナドと各チームのスーパースターをトレードで獲得したことから、セントルイスのフロントはトレードを通じて大きな注目を集めています。
2位:ブルージェイズ
2023年ブルージェイズにはプレイ・オフに進出した殆どの主力選手が残っています。先発ローテーションにはアレック・マノアとケビン・ガウスマンがいますが、ロス・ストリップリングはFAになりリュ・ヒョンジンは負傷後の活躍が不透明、ホセ・ベリオスと菊池祐星は期待通りの活躍はできなかった。投手の補強は重要です。
1位:メッツ
投手陣は充実しているメッツですが、ジェイコブ・デグロム、タイファン・ウォーカー、クリス・バシットはFA、マックス・シャーザーは38歳である事から先発投手の補強は急務です。野手陣も充実しているようですが、シーズンを通して考えるとDHを補強したいでしょう。メッツには大谷選手がエンゼルスに加入した際のゼネラル・マネージャー、ビリー・エップラーもいます。メッツはフランシスコ・アルバレスにも興味を示しており、スター選手と大きな契約を結ぶ意欲を示しています。
ストーブ・リーグの話題として大谷翔平選手のトレード、もしくはFAによる移籍が大きく取り上げられるでしょう。さまざまなチームが移籍先として取り上げられると思いますが、まずは2023年のエンゼルスでの大谷翔平選手の活躍とチーム成績に注目したいと思います。予想は外れる事も多々ありますから。
(※このコラムはこちらの記事を参考にしました。)